田舎出身パパと娘の中学受験(2021年2月受験予定)

関東在住サラリーマン家庭の中学受験の記録。娘(もにちゃん):天真爛漫、パパ:熱血、ママ:温和)

【本】開成・海城・豊島岡の2019年入試で出題された論説文

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2019年度入試で出題された本

 

開成、海城、豊島岡などの学校で出題され、話題となった論説文。

それが「うしろめたさの人類学  - 松村圭一郎(著)」である。

 

先入観を持たないために、色々と調べる前にポチっと購入して読んでみた。

 

テーマは深いのだが、非常に読みやすい。

読み進めながら自分の考えの殻を破っていける。

 

世の中の不公平さに対し、真摯に「うしろめたさ」を持って向き合うことの重要さについて述べられている。

筆者のエチオピアでの経験をもとに、前半は個人レベルの話、そして後半は国家レベルの話が展開されていき、我々がいかに「交換モード」で生きているかを思い知らされる。

 

豊島岡女子学園

豊島岡女子学園の2019年入試問題を解いてみた。

この本の核となる「贈与」と「交換」に関する部分から出題されており、短い文章の中に「経済」と「非経済」といった別の言葉への言い換えや、抽象化と具体化の行き来が何度も出てくる。選択問題もそのあたりを巧みに利用して考えられているため、誤った選択肢を選んでしまう子もいたのではないだろうか。

 

開成中学

開成中学の2019年入試問題を解いてみた。

豊島岡女子学園とは異なり、日本とエチオピアの違いを「感情」という切り口で分析している部分から出題されている。筆者がエチオピアで生活していたときの感情の起伏の激しさと、日本に戻ってきてからの感情の振れ幅の小ささを、具体的な経験をもとに分析している。

問題自体の難易度は高くないが、やはり「言い換え」と「抽象化」ができるかが肝となっている。

 

本全体の感想

この本全体を通して、グローバル視点での経済格差の問題や、ナショナリズムに関する問いかけ、未来をどうしていくべきかといったことが書かれているため、ぜひ、家族全員が読んだ上で、親子で意見を交わしてみるとよいのではないだろうか。 

 

私が大好きな言葉である「ノーブレス・オブリージ」と通じるものがあり、筆者の論理展開も私の好みであり、非常に充実感のある読書の時間を過ごすことができた。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

次回は、「子供への指導法」について書く予定です。