入試問題や採点基準から見える学校の方針
学校が求めている子どものタイプ
各学校の入試説明会に足を運んだり、実際の入試問題・解答用紙を購入したりすると、その学校がどういう方法で問題を作成し、採点を行っているのかを知ることができる。
そして、その内容から、学校がどういう子に入学してほしいを知ることができる。
代表的な採点方法の違いとしては、以下のものがある。
- 国語の漢字問題において、「とめ」「はね」「はらい」の正確さまで求める学校、求めない学校
- 国語の問題において、文章中の内容を基に、自分の考え・主張を求める問題を出す学校、問題読解力のみを問う学校
- 算数の問題において、(途中式等で)部分点を与える学校、与えない学校
漢字の「とめ」や「はね」まで見る学校は、やはり物事の正確さを大切にし、丁寧な学習ができる子を求めている。
国語で自分の考えを書かせるような学校は、自分の考えを持っており、それを文章中の情報を引用しながら、論理的に説明でき、相手を納得させられる、どちらかというとリーダータイプの子を求めていると思われる。
算数の部分点を与えるような学校は、ゼロイチではなく、一生懸命取り組んだ結果を評価しようとしている。つまり、プロセスを重要だと考えているのではないだろうか。
他にも色々とあるとは思うが、どちらが正しいとか、そういう話ではなく、各家庭の考え方と同じ方向性の学校を選ぶのがよいのだと思う。
入学してからの長い時間身を置く環境なのだから当然である。
加点方式 or 減点方式
例えば、渋谷教育学園渋谷は、完全に加点方式の学校である。
入試説明会に行った際に、担当の先生が以下のようなニュアンスのことをおっしゃっていたのが印象的である。(大好きな学校になりました)
「白紙はやめてください」
「途中まででも、一生懸命解いてくれたら、部分点をあげられる」
「採点する際に、正解・不正解で判断に迷ったら、複数の先生で協議し判断する」
渋渋のことは一例ではあるが、「加点方式」という言葉を耳にすると、多くの方にとっては、とても魅力的に聞こえるのではないだろうか。
では、「減点方式」はよくないのか?
賛否両論あると思うが、社会においてお金が絡む重要な局面ではかなりの部分が「減点方式」だと感じる。
(減点方式とは少し違うかもしれないが、100点でないといけないことが多いという意味)
- 新規商談を獲得しそうなところまでいっても、獲得できなければ結局はゼロ。
- 発注処理で途中まで数字があっていても、最後に一桁間違えば大赤字(ゼロ以下)。
つまり、いくら途中まで頑張っていても結果がでなかったり、ミスがあったりしたらゼロなのだ。ゼロであればもちろん評価はされない。信用も得られない。
部分点を狙っていては結果は出せないのである。
ふと思った。
中学受験においても、ミスが極端に少なく、重要な局面で実力を出し切れるようなタイプの子は存在するだろう。
そういう子は「減点方式」で採点する学校の方が、他の子との差をつけやすいのではないだろうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。