【ストーリーNo.4】中学受験をするということ④
いざ、出陣!!
塾で紹介された学校の「オープンキャンパス」の日、電車にのっていざ出陣。
学校の最寄り駅に到着すると、もにちゃんと同じ年ごろの子がたくさん。
多くがママと娘の二人組。我が家はもにちゃん、ママ、パパの三人組。
「みんなオープンキャンパスに来てるんだね~」
「この流れについていけば、地図見なくていいね~」
なんて言いながら、集団について歩いていく。
もにちゃんはママとくっついて、うれしそうに歩いている。
(もにちゃんはママが大好き)
パパは一人浮いている。いつものことである。
そうしているうちに学校に到着。
「ん??」
「あれ??」
「ここ・・・・違うじゃん・・・」
そう、我々は間違ていた。
その日、同じ最寄り駅の別の学校※でもイベントを実施しており、そちらの集団についていってしまったのである。
※のちに、この学校が我が家に大きな影響を与えるのだが・・・
全てが感動
回り道をしてしまったが、無事に目的の学校に到着。
お嬢様学校というイメージを持っていたが、全然甘かった。
想像していたよりもお嬢様レベルが高く、品がよい。
オープンキャンパスの場なので当然かもしれないが、ウェルカムな雰囲気がすごく、もにちゃんにも優しく話しかけてくれたり、質問にも丁寧に答えてくれたり、、、
あまりのレベルの高さに、「こんな世界があったのか」という感じである。
そして何より、生徒一人ひとりが主体性を持って行動していることに感動した。
その一例ではあるが、、、
ある部活の発表を見学させていただいた時の出来事。
大変な人気でほぼ満席になっていた室内。
一番前の中心に台座があり、その両端の席が1つずつ空いている状態であった。
発表ステージ
●●●●●〇 台座 〇●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
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まもなく発表開始時刻というときに、娘とママの2人組がやってきて、申し訳なさそうに前に進み、空いている席に座ったのである。
その時、一人の生徒が前に進んでいき、台座の右側の椅子を持ち、台座の左側に移動させたのである。親子が二人一緒に発表を鑑賞できるように。
発表ステージ
●●●●●〇〇 台座 ●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
私は偶然にも見ていたのだ。
その生徒が、先生にも他の生徒にも相談せず、自分の判断で動き出した瞬間を。
彼女は、(おそらく)中学生にしてすでに、自分が正しいと思うことを、即座に行動にうつすことができる人間なのだ。
前回の記事で書いた、我が家の子育てのポリシーは以下の2点である。
・「一人の人間」として接し、意見を尊重すること。(我々の「モノ」ではない)
・人として正しいことを「自分で判断」できるように、もにちゃん本人に常に考えさせること。
そう、私の頭の中で、2点目のポリシーとこの生徒の行動が完全にリンクしたのだ。
こういった感動を何度も経験し、ママも感動している。
そして、肝心のもにちゃんはというと・・・
「お姉さんたちが優しかった」
(10秒くらい沈黙・・・)
「あと、学校がすごい綺麗だった」
・・・
もにちゃんは「普通の中学校」を知らないのだ。
比較対象がないから、この学校がすごいのか、すごくないのか、わからないのだ。
しかし、もにちゃんは言っていた。
「うまく言えないけど、すごいのはわかる」
そう、もにちゃんは自分なりに、何かを感じたのだ。
この時期、もにちゃんは、自分の言葉で何かを表現することや、自分の考えを人に伝えることがあまり得意ではなかった。
しかし、この日を境に、全てが変わった。
(本当は「無理矢理に変えた」のかもしれない)
覚悟
私の中で、ぼんやりとしていた景色が明確になった。
金銭面についても、覚悟が決まった。
もにちゃんの人生が豊かなものになってほしいという思いに対し、その手助けの手段が垣間見えた。
この頃から、勉強に対し、パパも関与することになり、様々な問題が生じるのだが、コミュニケーションの機会が増えたことで、信頼関係は強くなった。
中学受験は、いうまでもなく子供にとって大きな負担である。
家族にとっても、経済面・精神面・時間面・体力面で大きな負担となる。
しかし、それ以上に得られるものが大きいと感じている。
・合否にかかわらず、何かに向かって努力したという「事実」は人生の糧となる。
・子供の努力を間近で見ることができ、言葉にできない愛情が育まれる。(親の立場)
・親のサポートを、子供は子供なりに感じ、そのことは人格形成にも間違いなくプラスになる。
・親子で共通の目標に向かって突き進むため、家族の絆が深まる。
中学受験をするということは、実はそれ自体に意味がわるわけではないと私は考える。
「覚悟」をもって、「家族一丸」となって「圧倒的な努力」をすることが、結果的に今後の人生にプラスに働くのではないだろうか。
なぜなら、その経験は裏切らないから。
我が家の中学受験が、もにちゃんの長い人生において、よい影響を与えてくれるものになる。そう信じて、突き進む覚悟を決めたのである。
続きは次回。